「ソファ背面活用」

「ソファ背面活用」

ソファを設置する際に、壁面を背負わすレイアウトかそうではないレイアウトに大別されるでしょう。

前者においては比較的お部屋を広く使用することが可能となりますが、多くのリビングにおいてはそうではないレイアウトが一般的なように感じます。

特に細長いL/Dにおいて比較的多く見られるものとして、ダイニングセットからソファ越しにテレビを観るようなレイアウトになります。

その場合ダイニング側からはソファの背面が見えることになりますので、その背面デザインも気に掛けるポイントになります。

またその場合はソファ自体の高さも気になりますので、ハイバックタイプとなるものは避けられますし、リビングの中心部に設置される関係上見た目の圧迫感を特に気にされるものです。

それゆえいわゆる「抜け感」のあるウッドフレームタイプが選択肢に浮上することになり、またデザイン性においても張りぐるみタイプと比較すると変化に富んだものになることからも比較的相性は良いものです。

一方の張りぐるみタイプにおいては、背面もファブリックやレザー等の張地でくるまれますので、その表情は選定される張地に大きく左右されることになります。

一方では、一般的にデザインのポイントは背面に置かれることはないため、その部分を上手に有効活用することも可能です。

当然その分のスペースが必要になるのですが、例えば細長いコンソールテーブルのようなものやラックを設置することにより、見た目も機能性も大きく変わります。

その上面はソファに腰掛けた際に飲み物等を置くことも出来、ソファ前に設置するセンターテーブルと比較すると意外と使用性も優れますので、ソファ前方スペースの代わりに背面活用を検討されることもお勧めです。

「二世帯住宅」

定義として居住空間を分けていますので、それら各々に設置される家具一式においては基本的に各々が別々に選定されることが多いとも思われますが、同じ建物内ともあり二世帯の家族が一緒に探されることも少なくないものと思われます。

それゆえ一度に多くの家具を見ることが可能な総合家具メーカー製品を最初にご覧になることも少なくないようで、先ずはそれらを基準としてその後においてもいろいろとご覧になるケースも多いように感じられます。

総合家具メーカーの特徴は必然的に製造アイテムが多くなることからも一般的には相応に社歴もある大手と言われるところが多くなり、それゆえの実績数から安心感もあるものと思われます。

またテイスト別のシリーズ数が多いことからも、同じシリーズにて一式を揃えることによりデザイン性の統一感も生まれますし、何よりもグレード感が同じともあり違和感なく空間に馴染むものとも思われます。

一方ではすべてが平均点とも言える家具で揃えることは、良い意味でのメリハリは効きませんので、特徴的な印象を与えることは難しいかもしれません。

それが日本的と言えばそれまでですが、例えばダイニングチェアにおいても同じもので揃えることなく、家族各々が好きなモデルとする選択肢もあります。

もちろんダイニングテーブルとの兼ね合いもあるため、ある程度SH(シート高)は絞り込まれますが、椅子においては特に豊富なラインナップより選定可能ともありその作業もまた楽しいものです。

いわゆるマイチェアとの概念になり自然と愛着も湧くため、家具の中でも特に楽しいアイテムかもしれません。

一方、ソファにおいては一般的に家族にて使用される家具ともあり意見を合致させることは難しいかもしれませんが、自然と家族が集まるような空間となることをイメージすると間違いは少ないかもしれませんし、結果として自然と同じメーカー製品を選定されることも少なくないようです。

「成熟」

このキーワードは何回か記してきたのですが、日本を代表する産業と比較するととても遅れている家具業界には、何とか良い方向に向かってもらいたいとの気持ちが背景にあります。

何よりも選択肢の幅がとても狭いことが気になり、残念ながらヴォリュームゾーンは安価な製品にあるようです。

当然のようにそれらの多くは日本製ではないもので、それゆえの品質でも多くの人たちが満足するだろうと一体誰が考えたのでしょうか。

もっとも、決して満足はしていないのかもしれませんが、価格に見合った製品と言う点において決して不満はなのかもしれません。

また「実際売れているのであれば一体何の問題があるのか…」との声も聞こえてきそうです。

中学生の頃より家具が好きで、結果としてこの業界に身を置くことになった当時のことを考えると、少なくとも現在のような安価な製品の比率はとても低かったように思われます。

むしろ一般的な感覚では高額な製品が多く見られたもので、それゆえそれらをいつか手に入れたいとの憧れに似た気持ちが向上心や勝手な業界発展の期待に結び付いていたようにも感じられます。

しかしながら皮肉なことに業界は総体的に安価な製品にシフトしていくことになったもので、いつしか家具の価格帯に対する常識も塗り替えられていったようです。

そうなると次なる世代にもその常識が受け継がれることになりますので、そのような環境下では「高額な製品を開発しても売れない」と一蹴されてしまうことも理解できないものでもありません。

それだけにとてももどかしい想いが募ることになっているのですが、自信を持って開発した製品を、自信を持って販売することが出来れば少しずつでも変わっていけるのではないかとの想いにて行動しているものです。

「恰好悪さ」

恰好良いとか恰好悪いとか、小さな頃より好きだった車について友達と良く言い合っていた記憶が思い出されます。

1970年代にはスーパーカーブームなるものもあり、当時は現車を見ることは難しかったこともありミニカーを収集することで我慢していたものです。

その中でも、格好良いと意見が合致するものもあればそうでもないものもあり、これは主観的なものゆえ当然のことなのですが、傾向としてはかなり特徴的なデザイン性のものは好き嫌いもはっきりしていたようです。

以前にも記しましたが日本を代表するような工業製品のひとつに自動車があり、それだけにそれら企業のデザイン部にも優秀な人材が集まります。

しかしながら、その中より生み出される車種は決してスーパーカーのようなデザイン性のものばかりではありません。

速さやそれゆえの性能を誇るスポーツカーであれば、重要度高く空力抵抗も考えられていることからも一般的に格好良いと感じられるデザイン性に寄るのでしょうが、いわゆる大衆車はその限りではありません。

スポーツカーと比較すると格好悪いと評されるものもあるかもしれないものの、大前提としてこれらも日本を代表する大企業より生み出されるものだと認識する必要があります。

燃費性能も求められることからも空力についても充分検討されているでしょうし、つまりそれも計算され尽くされた結果として開発されていると言うことであり、そのデザインにも意味があると言うことです。

広く大衆向けに販売するためには燃費や価格だけではなく、そのデザイン性も広く受け入られる必要がありますので、好き嫌いが少ないものであることが条件になるでしょう。

このような概念は家具の世界においてもあって然るべきとも思われるものの、残念ながら業界として成熟していないことからも大衆向けのデザイン性ではなく単にバランスが悪い格好悪いデザインになっていることが少なくないため、業界として健全に成長することに期待したいものです。

「ブランディング」

ブランディングには相応な時間も費用も要します。

それだけに成功させることは決して容易なことではないと思われるものの、それを行うことの意味合いはとても大きなものがあるとも思われます。

大前提としてしっかりとした芯が必要になり、少なくとも都度の思い付き程度の軽さでは不可能なことは間違いないでしょう。

また「数を打てば当たる」との性質のものでもないため、更に成功する可能性はとても低いのかもしれません。

これは個人的な感想なのですが、家具業界においては往々にして他社のブランディング戦略については批判的な見方になることが少なくないようです。

そこには健全な競争意識以外の感情が入り込んでいるようにも感じられ、それだけにどうしても他業界と比較すると遅れているようにも感じてしまいます。

真の意味でブランディングに成功したメーカーに対しては結果として正しかったことを否定することは出来ないもので、それに負けずと取り組む姿勢も大事なのでしょう。

一方、ブランディングの形にもいろいろなものがあるでしょうし、その手法においても現代においてはそれこそ多種多様とも言えます。

記憶に新しい東京都知事選挙において、次点だった方は今どきらしくSNSも上手に活用したようです。

多くの予想とは反する結果になったことにより何かと話題にもなり、選挙後の本人の様々な発言が一部批判の対象にもなっているようですが、ニュートラルな立場で言えば総合的に賛同できるところもあれば出来ない部分もあることに尽きます。

このように、新たな取り組みに対しては往々にして批判の対象になりがちな傾向が見られますが、各々の真の強みを活かした戦略を練ることによりブランディングの見え方も変わってきますので、先ずは意識的に動かすことだろうと考えます。