樹種については16年以上前にも一度取り上げたことがあります。
当時より無垢材に限らず樹種と言えばウォルナット材が大人気となり、思い起こせば西暦2,000年頃には既にその傾向があったように感じられます。
オーセンティシティ家具が開発された2003年当時には間違いなくウォルナット材が主流でしたし、当時のブランドイメージもダークなウォルナット材をモチーフにしたものとも感じられます。
当時はそのイメージとは真逆を行くようなハードメイプル材も設定されていたのですが、全体の受注量に対する割合はほんの僅かだったことも記憶しています。
もっとも、ウォルナット材と比較すると扱いにくい樹種だったようで、その後はそれに代わりブラックチェリー材が追加され、またグレーシャーオーク材もラインナップに加わっています。
ともすれば武骨なイメージがある無垢材をあえて積極的に用い、尚且つその武骨さを払拭すべくある意味攻撃的なデザイン性に挑戦したもので、このことは最高級のウォルナット材と無垢材加工において各種ノウハウを蓄積している専門工場の存在がなければ成立しなかったものです。
贅沢とも言える8/4インチ材(厚み50mm少々)を積極的に用いるものの、加工後の最大限の厚みをベースとするものではなく、あえて35mm厚程度に削ぎ落とすことには勿体ないとの声も少なからずあったことも事実です。
折角の厚材をバリバリと削ってしまうのですから、実際製造に携わっている方々の意見としてはごもっともなことと認識しつつも、そのことは絶対無駄にはならないとの信念のもと取り組んできたものです。
逆に言えば、無垢材家具においては材料の厚みを最大限活用することが常識だったことからも武骨さから脱却することが出来なかったものとも考えており、ある意味勿体ないとも言えるかもしれませんが、その立派な無垢材に育ってきた年月以上の第二の命を吹き込むものと考えています。