「表皮材選定」

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ソファの座り心地は表皮材によっても若干感覚が違ってきます。

分かりやすいところではレザー(本革)を用いた場合とファブリック(織物)を用いた場合があり、前者はそれ自体のしっかり感からも後者と比較すると若干しっかりとした印象になります。

当然のようにクッション性を表現するためにはある程度の沈み込みが必要になり、必然的に内部の空気を外に逃がす必要もあります。

レザーの場合は吸湿性に優れてもそれ自体の通気性には期待できないため、例えば座クッションの底面や背クッションの裏側の一部は通気性が良い生地とする場合が大半です。

視覚的な観点より見えない部分にて抜くことが前提となりますので、例えば背クッションの裏側も見えてしまうようなウッドフレームタイプソファの場合はそれも難しいものです。

設置場所が定まることがない方向性のないピロークッション等の場合も同様となり、その場合は目立たないように空気孔となるようなメッシュ鳩目を用いたり、細かな孔を空けたパンチングレザーを用いたりすることになります。

一方のファブリックにおいては、それ自体に充分な通気性が備わっていることからも全体的にそして均等に空気が抜けていきますので、スムーズで自然なクッション性になるものです。

また多くのファブリックはレザーよりもやわらかいこともありドレープ性に優れますので、内部クッション材と一体感のある見え方にもなります。

更には、その組成面からも種類が豊富なもので、その点において選択肢の幅もかなり広いことが最大の特徴になるでしょう。

一方、レザーにて張り上げたソファには良い意味での緊張感や独特な高級感も生まれますので、そこに求める居心地について具体的にイメージすることにより表皮材選定にも厚みが増すものと思われます。

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