家具において、一般的に海外ブランドはデザイン性に優れ、且つ品質が高いがその分高額とのイメージがあります。
老舗有名ブランドであればそれも間違いではなく、家具デザインを志した頃より特にイタリア有名ブランドには少なからず憧れも抱いていました。
家具が設置される器となる建築業界で学び、7年ほど経過したところで家具業界に戻ったタイミングでは、インテリアデザインを学ぶためにイタリアでの短期留学の機会も得ました。
その間はミラノに在住していたのですが、当時はギリギリ20代だった若さもあり毎日がとても刺激的で、授業のない週末においてもイタリアのいろいろな部分に触れるべく精力的に動いていたことも記憶に新しいものです。
家具デザイン界において巨匠と言われるような方の郊外にあるご自宅(豪邸)も訪問させていただきましたし、手描きにて椅子の原寸図を作成している仕事部屋も見せていただきながら現実的なデザインのお話もお聞きすることが出来ました。
また、知り合い筋を通じてミラノ市内の一般住民が住む住宅や集合住宅等も見学させていただきましたし、その中で実際の暮らしぶりについても感じとることになりました。
何よりも皆さんとてもお洒落に暮らしていることが印象的で、これは贅を尽くしたとの言葉とは対極にあるような一般住民のセンスとなることからも、ある意味本物のセンスを目の当たりにした感覚でした。
また先入観を覆されることとして、イタリアの多くの皆さんはとても勤勉に仕事をこなしていることが印象的でした。
家具づくりの現場では職人さんたちの職人気質を目の当たりにしましたし、そのような文化が根付いているイタリアにて製造される家具のすばらしさの秘密に触れたことはとても有意義でした。
そのような歴史的背景からすると追い付くことはなかなか困難なことだとも思われますが、他国から見て憧れを抱かれるような日本の家具づくりの一助となればとの想いを新たにしているところです。