売りたいものと売れるものは必ずしも合致するとは限りません。
これは製品を開発する立場のメーカーであってもそれらを扱う販売店であっても双方に言えることのように感じています。
この辺りの見極めを誤ることは一般消費者にとっても決して良いことではありませんので、やはり慎重に判断したいものです。
その背景には経験値とは別に少なからず個人的な好き嫌いの感情もあるのかもしれませんが、「好きでも売れないもの」と「好きではなくても売れるもの」のどちらが良いのかについては言うまでもありません。
デザイナーは基本的に自分自身が好きなものをデザインすることになると思われますが、必ずしもそれが正解だとは言えないことも理解しています。
だからと言って自分自身が嫌いなものをデザインすることは難しいのですが、いわゆる売れるデザインとするための“抜きどころ”は心得ているものと思われます。
一方では、「売れるもの」との観点だけではデザインが成り立たないことも事実ですし、何よりも世の中のデザインの質を高める観点においては専門家としての務めもありますので、常にこの辺りについても意識することになります。
このことは開発者としてのメーカーであっても販売が専門となる専門店であっても、各々の専門家としての意識を常に持ち続けることが大事になるでしょう。
また忘れがちなこととして、最終的に良い結果を生むためにも各々の専門分野を尊重することも大事になりますので、下手に口出しせず任せる姿勢も必要だと思われます。
デザインを学び社会に出た当初より耳にしたことですが、決裁権を持つ代表者やその立場にある人間は消費者の代表の如く勘違いしないことによりギャップも少なくなるものと考えています。