今では各社より販売されるようになったウッドフレームタイプのソファにおいては、15年以上前と比較すると選択肢の幅はかなり広がったものと思われます。
そのデザイン性は様々で、線の細い繊細なものからかなりの存在感を放つ粗削りな木部を強調するものまで概ねラインナップされたとも言えるでしょう。
その座り心地においても、おそらくはオーセンティシティソファが牽引することにより全体的な底上げもされてきたように感じます。
クッション部分は外注することも一般化されたようで、その環境下で学んだことをベースとして最近においてはそれらも内製化する動きが見られます。
その背景としてはコスト面があることは容易に推測できるものの、基本的に硬いものと軟らかいものは製造面において性質がまったく違うこともあり、軌道に乗せるまでには予想よりも時間を要することになるものと思われます。
更に言えるとすれば、その方向性が果たして正しいものなのかについては慎重に見極める必要がありそうです。
なぜならば、モノづくりの基本は「餅は餅屋」の理論があると考えているからです。
要するに、本当に良いものをつくり出す意味においてはやはり本物のプロの手にかかる必要があると言うことです。
また、すべてを内製化すると無意識のうちにコスト面が優先されることになり、それは決して無視できない要素ではあるものの、一方では最上級のものを生み出す環境としては多少なりとも障害になると考えているからです。
安定的な品質を有した工業製品ゆえもちろんコスト面を無視することはないのですが、それは最大の要素とはならないところに位置するものがオーセンティシティ家具だと考えており、それがどこか風格に繋がっているものとも考えています。