家具に限らず、売れているものは往々にして類似性が高いデザインのものが増えてくるものです。
当然のように元祖と言われるものは存在するのでしょうが、それがかなり前に生まれたものであればその当時を知らない世代にとっては既に何が元祖なのか分かりません。
競合するメーカー間においても、類似品が出てくるとどっちが元祖だとかとの内容も聞こえてくることもありますが、本当の元祖は別にあることも少なくないように感じます。
多少なりともデザインソースと言うものは存在するものですが、デザイナーの場合はプライドもあるため自制心が働くものです。
しかしながら古い体質の家具メーカーにおいては、未だにデザイナーに依頼することなくすべてを社内で完結させるところも少なくないようです。
そのような場合は類似品問題が少なからず発生するようでもあり、そうなりやすい背景があることは容易に想像が付きます。
先日もある壁面収納家具メーカーのショールームにお邪魔することになったのですが、いろいろなソースがベースになっていることからもいろいろなテイストが混ざり合っていることが見えてきます。
造作家具の性質上、明確なコンセプトが見えない方が返って良いのかもしれませんので一概に言えないものの、何らかの変化をつけるためにと例えば異種素材を取り入れる等の工夫は見られても感動を与えるような製品には仕上がっていないものです。
やはり明確なコンセプトが必要なのでしょうし、独自性の高いデザイン性でなければ感動を与えることは難しいことも再確認することになりました。
オーセンティシティ家具においては、類似品が生まれる余地がないくらいの唯一無二の存在で在り続けたいと思っているところです。