すべてをオリジナル製品にこだわり、ライフスタイルショップとしてオーナーさんのセンスを全面に打ち出し展開されていたショップは既に懐かしい存在になっています。
当時はそのスタイリングに憧れを抱き、自分たちも同じような空間で生活してみたいとの意識にて大いに参考にする部分もあったようです。
そのような時代を経て、おそらくは知識も物も豊かになったのだろうと思われますが、少なくとも当時ほどそれを求めることもなくなったのでしょう。
そのようなリアル店舗に足を運ばなくとも容易に情報を入手することが可能になったことも背景にあるでしょうし、ともかくもインテリアのつくり方には少なからず変化も見られます。
おそらくですが、まったくの無の状態からそれをつくり上げることが出来る方は少ないと思われ、リアルなものか写真等の映像なのかは別として、何処かで目にした空間に多少なりとも影響されるものと思われます。
そうなると、比較的良く目にするモノに影響されがちになることは当然のことでもあり、結果としてそれらが用いられた空間は必然的に多くなります。
このように好循環することでヒット商品が生まれてくるのでしょうし、やはり露出度を高めることの効果は大きなものなのでしょう。
しかしながら、このような傾向が強すぎることはワンパターン化にも繋がりますので、結果として多くの空間にはインパクトのある個性を見出すことが出来なくなったように感じます。
家具や照明器具だけではなく小物に至るまでトータルコーディネイトされていますので、必然的にまとまりもありどれも綺麗なのですが、スタイルとしての選択肢は意外と少ないのかもしれません。
伝統もあるため新たなスタイルが簡単に生まれてくるとは思われませんが、スタイルをつくり上げるための家具の位置付けはとても高いと言えるため、今後においてもそれを追い求めたいと考えます。