ソファに腰掛けていて、気が付けばフロアの上に直接座り、ソファを背もたれ代わりに使用されるような光景は比較的多いものです。
当然のようにソファ上で長く過ごすことに何らかの不具合があるものと思われ、それは寛ぎを求める人間としての自然な行動なのでしょう。
一時的なことかもしれませんが、少なくともソファ上よりもフロア上の方が心地良いと言うことなのでしょうし、やはりソファとして如何なものかと思ってしまいます。
体格差もさることながら人それぞれの寛ぎのスタイルがあり、そのすべてを一台のソファで満足させることは難しいものの、やはり可能な限りの柔軟性を持たせる必要があるものと思われます。
しかしながら単に「大は小を兼ねる」ではなく、それには細かな設計が必要になり、基本的なことを言えばいろいろな意味を含めて座クッションと背クッションのバランスはとても重要になります。
背もたれの角度はもちろんのこととして、一見すると分かり難い座面に設けられた僅かな角度も含めて、一台のソファには専門的な要素がギュッと詰まっているものなのです。
反対に、どこか一点でも欠ける要素があれば真に寛ぐことが出来ないソファになってしまいますので、まさしく総合力がモノを言う家具の代表格と言っても過言ではないかもしれません。
一方では体格差もあり万人にマッチするものは存在しないとの意識のもと、悪い意味で言い訳が通用する家具とも言えるかもしれませんが、本当にいいものを作っているとの想いがあればそのような気持ちにもなりえません。
そして何よりも、手放しで思いっ切り身を預けるソファですので、究極の寛ぎを得るためには構造体がしっかりしていることによる安心感をなくしては成立しないものと考えます。