「偏り」

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なんだかスペシャルな言い回しには、耳を傾けたくなることは珍しいことではないようです。

例えば、有名な研究機関との共同開発から生まれた素材だとか、良く分からないけど難しい英文を並べられたりすると、「なんだかすごい」との感覚に陥ることは否定できません。

結果としてそれだけに意識が集中することになり、往々にして本質を見極めることの妨げになるようにも感じます。

家具においても例外ではなく、例えば一部の素材や加工機械だけが素晴らしくても良い家具が出来上がるとは限りません。

当然のこととしてそれに携わる人間の力や感性は欠かすことが出来ない要素で、製品が完成するまでの工程すべてにおいて手を抜くことなく高いレベルでの意識を注ぎ込むことが必要になります。

例えばソファにおいて、重要な素材であることは間違いないものの、ウレタンの密度だけが高くても良いソファが完成するとも限りません。

このことは、車のエンジンだけが素晴らしくてもシャーシの剛性感やタイヤの性能が劣っていたのでは安全で良い走りとはならないこととも共通します。

クッション性において重要な役割を担うことになる、表層部よりも下部にあるベースクッション材においても、その性能を100%発揮するためにも躯体の剛性感を軽視することは出来ません。

一番の問題点は、それらの構造は内部に隠れてしまうため目視にて確認することが出来ないことにあります。

従って、それら構造面の説明がしっかりされるものであることをひとつの選定基準とすることも必要でしょうし、それらが偏りのない筋の通った内容であるかについて慎重に判断されることをお勧めします。

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