「地域の感性」

Pocket

10年以上前にも記したことですが、その地に長年住み続けてはじめて身に付く感性もあるのだろうと考えています。

そのような観点からも、全国の家具産地と言われるところで生まれ育ち、その業界に身を置かれている方々の感性はまた違うものがあるのだろうと思います。

家具においては多くの場合手作業が加わりますので、工場で働く方々の感性はとても重要な要素だと考えており、その感性が実際の製品の中に自然と注ぎ込まれることは間違いありません。

全国の家具産地においてはそれぞれ違った感性が注ぎ込まれており、それはメーカーが違っても傾向として共通するものがあります。

同じ箱物や脚物であってもその地の傾向は製品ににじみ出るもので、結果としてそれが各々の家具産地における特徴となっているのでしょう。

その中にあっても当然のようにメーカー別の特徴もありますので、いろいろな意味で「らしさ」は必要なものだろうと考えています。

これは材料調達面においても自然と表れてくるもので、当然のこととしてコスト面の背景は決して小さくないものの、仮にそれに余裕があったとしても容易に変わることのない重要な要素だと思われます。

ある意味材料はメーカーの特徴を如実に表すことになっており、材料を見ればおおよそのことは判断が付くと言っても過言ではないのかもしれません。

更にその木取りや細かな面取りの仕方においてもメーカー別の感性や意識面がにじみ出ますので、このあたりを観察するととても興味深いものがあります。

また、そのような部分が自身の感性に訴えかけてくる部分になるのでしょうし、家具の場合はそれが重要な判断基準になるものと思われます。

オーセンティシティはこのあたりの感性を最も如実に表している家具かもしれませんし、今後においても多くの方々の感性に訴えかける存在であって欲しいと願っています。

Pocket