今月でオーセンティシティを発表して丸15年が経過することになります。
正直なところ、それほどまでに時間が経過しているようには感じにくいのですが、その時間が意味することは決して小さくないものと思われます。
当時これを開発することになり、そのコンセプトとして「アーバンナチュラル」を打ち出した頃の気持ちになってみようと思います。
先ずは、間違いなく日本一だと言える感動するくらいのウォルナット材や道産ミズナラ材との出会いがあったことを思い出します。
それら立派な材料は、その価値を製品にも充分表現することを条件として使うことを許され、それだけに相応にプレッシャーを感じていたことも確かです。
幅広で厚い立派な材料だけに、本来であればその価値を伝えるためにもあまりデザインを入れない方が良いのかもしれませんし、一般的にはそのように言われていたことも事実です。
それだけに、厚材でしか表現できないデザイン性を強く意識したのですが、厚いことはともすれば武骨に感じさせることにも繋がるため、そうならないように極力鋭角を用いることを心掛けたのです。
更に、製造先を選ぶギリギリの難しいデザイン性であることをあえて意識し、材料面とこの加工技術力が揃うことで唯一無二の存在になったものと考えています。
しかしながら思いっ切り遊び心を入れることや奇をてらう意識はまったくなく、基本は正統派であることがデザインテーマにもなっています。
家具は小さな建築物であるがごとく、外見だけではなくしっかりとした構造面に支えられている安心感も大事にするところです。
洗練された都会的な空間にもマッチするナチュラル無垢家具をコンセプトとして開発した経緯を大事にしながら、次なるステージに突入する必要性についても感じているところです。