上質な木材に最高の加工技術力を施したものからは、自然と高級感が醸し出されるものと思われます。
しかしながらそれが設置される場所によっては、その度合いに多少なりとも違いが生じるものとも思われます。
デザイン性とも密接な関係があり、例えば重厚感のあるものは相応に重々しい空間でなければその良さを100%引き出すことは難しいのかもしれません。
その反対もしかりで、特に木製家具においては設置される空間を選ぶ性質があるようです。
オーセンティシティにおいては、当初のイメージとしてコンクリート打ち放しの空間に設置しても違和感なく溶け込むことにあり、それはともすればウッディーになり過ぎる無垢材家具に対する挑戦でもありました。
そのためにもあえて積極的にデザインを施すことになり、バランス面を重視するためにも時には各々の材料から得られる最大厚をベースとする概念にも融通性を持たせました。
結果として、一般的に言われるようなモダンな空間であってもそうではない空間であっても、どちらにも相応にマッチする家具になったと考えています。
一方では、人の手が入り過ぎた綺麗すぎるつるんとしたモダン空間にはあまり馴染まないようにも感じています。
設置される場所を選ばないとの当初のイメージからも、そのことは何とか解消しなければいけないだろうとの気持ちがあり、いろいろと考えることが多くなっています。
既存品に手を加えることも選択肢のひとつですが、おそらくはそれだけでは難しいだろうとの考え方が強いことからも、新たなシリーズを生み出すことも視野に入れてイメージを膨らませたいとの気持ちです。