開発力があるかどうかは、企業にとってはとても重要なことだと思われます。
単に物理的にその機能を有しているとの意味合いではなく、それには当然のこととしてデザイン力も含まれます。
そのデザインも単に綺麗な形状をつくり上げるためだけのものではなく、常に何らかのメッセージを込めることが大事なことのようです。
それを具現化するための工場の力が最も重要なことは言うまでもないのですが、デザインの意図やポイントを正確に受信することは意外と容易なことではありません。
当然工場サイドとしての各種都合もありますし、デザイナーも先ずはそれらの各種事情に理解を示すことが大事になります。
一方では、その工場サイドの事情にはすべて寛容になる必要性はないのだろうとの気持ちもあります。
往々にして「つくり易さ」との観点で考えてしまう部分も否定できないからであり、それを継続することに新たな技術力は生まれないからです。
工場としてはやはりチャレンジ精神が大事になるでしょうし、それを成し遂げるための明確な目標を定めることで遣り甲斐も生まれてくるようです。
デザインワークにおいても、ともすれば「やり易さ」との安直な意識に陥る危険性も常にはらんでいるため、意識的にどちらかと言えば「やり難い」方を選ぶようにしています。
それによりデザイン性にも多少なりともオリジナリティが生まれてくるのでしょうし、工場としても安直な方法を選択しないことにより結果として良い製品が生み出されるものと考えています。
日々忙しくしているほど楽な方を選んだり必要以上に時間をかけたりしがちですが、その中からは決して良いものは生まれないことを肝に銘じ、忙しさを楽しみながら良い開発を継続できるように心掛けたいと思います。