ウッドショックとは聞かれたことがある方も多いと思われます。
コロナ禍によるアメリカ国内の住宅需要が増えたことが背景にあるようで、いわゆる需要と供給のバランスが崩れたことやコンテナ不足も多少なりとも影響しているようです。
それだけ木材の輸入比率が高いと言うことを表しており、一方ではSDGsの観点からも国産材を積極的に用いる動きがあることも事実のようです。
しかしながら現実的にはそれら国産材に触れる機会はまだまだ少ないことからも、少なくとも家具においては依然としてウォルナット材の人気は高いままですし、価格の上昇率が高過ぎるだけにそのまま製品価格に転嫁できない現実もあります。
それゆえ、現状のまま製品を製造/供給し続けることは難しいとも言えますので、北米からの輸入材においてもウォルナット材以外の製品の露出度を高める必要があるだろうと思われます。
その一つにブラックチェリー材があり、ウォルナット材とは相反する経年変化の部分をもっとクローズアップすべきなのでしょう。
ウォルナット材においては、元来の濃い褐色となる色味からも白太はかなり目立ってしまいますので、ほとんどのメーカーにおいては着色することにより違和感のないように仕上げることになります。
それゆえ、唯一ウォルナット材においては経年変化により色味が抜けて薄くなっていくことの認識が少ないようで、少なくとも経年変化を楽しむ材の位置付けにはなっていなように感じられます。
また壁面ボードのように均一性を重要視する場合や色味の変化を好まない場合もあるでしょうし、その場合は着色が適していることは間違いありません。
一方のブラックチェリー材は年月とともに色が濃くなるようで、100年もすればアンティーク家具の装いも自然とまとってくるようですので、このような経年変化も楽しみながら次の世代へと受け継ぐことが出来ればとても素敵なことだと思われます。